【TIPS】DJ前の準備のやり方&Digital Stars @ MAGICAL MIRAI振り返り
【TIPS】DJ前の準備、仕込み& Digital Stars @ MAGICAL MIRAIお疲れ様でした
皆さんお疲れ様です。Hylenです。
Digital Stars @ MAGICAL MIRAI 東京、大阪ともにありがとうございました。来てくださった方も本当にたくさんいて、嬉しかったです!声出しライブ最高です。
今回のセットリストはこちらとなります。
2023/08/12 Digital Stars @ Magical Mirai Osaka
2023/09/02 Digital Stars @ Magical Mirai Tokyo
低音バキバキズンズンのセットでした。
今回は、実際のDJ中にどのようなことを考えてDJをプレイしたのか、またどのような仕込みを行ったのか。これらを振り返りながら実際の仕込みを解説します。
DJの準備① 使う曲をアナライズする
どのようにして組み立てる?
まず前提条件を考えます。今回のDigital Stars @ MAGICAL MIRAIでの出演者として、
大阪:市瀬るぽ君、kz先生
東京:keisei君、八王子先生
でした。
それらを踏まえての状況として、
・僕自身の合成音声を使った楽曲リリースがそもそも少ない
・各会場での共演者の曲は避けるべき
・持ち時間は30分
・マジカルミライ本編(夜公演)の後
・声出し解禁
です。1つずづ見ていきましょう。
・僕自身の合成音声を使った楽曲リリースがそもそも少ない
実はお恥ずかしながら、ボカロPになったのも本当に2年前…とかでして、あくまでリスナーの一人でした。
(お仕事で仮仮歌でのガイドとして使う、とかはありましたが)
現状僕がリリースしているものとして、UNDERWATER、Always In My Heart、piccoちゃんと作ったAkatsuki、そして、わるいくせだよ。の4曲。
そしてRemixでマーシャル・マキシマイザー、ダーリンダンス、ロストアンブレラの3曲。4曲しかありません。ヤバい。
・各会場での共演者の曲は避けるべき
流石にkz先生の前でTell Your Worldかけたりしたらかなりご法度なラインなのかな、と思いますので、かけられません。正直かなりキツい部分もありました(今までのセットでもかなりkz先生と八王子先生の楽曲に頼る部分は多かったので…)
・持ち時間は30分
持ち時間としては30分です。DJとしては結構短めかな?と思いつつも普段のクラブと比べてDJ数も少ないので、この中でストーリーを作らなければなりません。次の日の企画展の準備や、遠方から来て頂いている方もたくさんいらっしゃいますので、持ち時間をはみでるのは避けたいです。
・マジカルミライ本編(夜公演)の後
マジカルミライ本編の後ということ。マジカルミライでは、バンドが入っているため、クラブミュージックとは違ったアプローチでのセットとなります。
・声出し解禁
某流行り病の影響で、公式DJイベントで声が出せる、という部分にも注目するべきだと思います。
これらを踏まえて僕が考えたDJの軸としては、
・kz先生、八王子先生へのバトンを渡す立ち位置かつ、アンセムは先生たちがかけてくれるので、ボーカロイド音楽というものを自分のフィールドへ落とし込むこと。
・ただあくまで、僕の普段のDubstepのような音楽に慣れている方がすべてではないので、自己満足にならないようにアプローチをすること。
・現地ならではの振りや、掛け声のある曲も混ぜたいということ。一体感。
・全員酒が入ってない可能性のが高いということ(あくまで会場はクラブではないので、繋ぎをミスしてしまってもテキーラは飛んでこないしリワインドも発生しません)
・大阪、東京両方に行きたかったけど行けない人も数多くいると思うので、片方しか行けない!って人でも楽しめるようなサプライズがしたい
です。結果的に上記のセットになりました。
DJの準備②:曲をこねくりまわす
いい曲だけど…歌から始まっちゃう
では実際に準備をしていきます。曲順などは実際にDJコントローラーを触りながらあたりをつけていくのですが、あくまでボカロの楽曲やポップス音楽だと、”繋ぐ部分”ってのは当たり前ですが考慮されていないものもあります。
一番わかりやすい例ですと、歌から入るパターンの楽曲です。
DECO*27さんの楽曲は顕著です。サラマンダーとかヴァンパイアとか。
あとはボカロじゃないけど睦月さん(kemuさん)作曲のSOSとかもそうですね。あとはなんだろう、ワールドイズマインとかでしょうか。
これらのいわゆる歌から始まるような楽曲はとても現代的で、いわゆるザッピングのような、イントロ聞いて好きじゃなかったら飛ばされちゃうっていうことに対して、イントロで強いメロディを持ってきて飛ばさせないための手法の1つでもあります。
また同時に、クラブでもライブでもそうですが、イントロから歌が来た瞬間って、一番ガッツポーズして声出したくなる部分でもあります。なので、一番大事な掴みの部分をここを前の曲との繋ぐ部分にはしたくないです。
そのため楽曲に対して、繋ぐ部分のイントロを足してあげます。ここでは実際に使ったサラマンダー(TAKU INOUE 3-Minutes Remix)を基に解説します。
実際にイントロを足したプロジェクトがこちらとなります。
イントロを足す仕込みをする際に気を付ける点がいくつかあります。これらは楽曲やBPMによってかなりアプローチが変わるので、必ずしも全ての楽曲にあてはまるわけではないです。あくまで我流です。
今回足したのは主にKick、Top Drums(ハイハットなど)、Riserの3つです。シンプル。
こちらの楽曲のBPMはBPM172。恐らくイントロを作る人だったら、キックとスネア、あとは薄くハイハットを入れてあげて少しRiserをかける、というのが定石だと思いますが、今回はスネア、クラップを入れてません。
理由として、BPM170~180前後ですと、スネアの位置が様々なパターンを考えることができるからです。
例えばDnBやUK Hardcoreの流れですと、スネアが2拍、4拍に入ります。ですが、トラップのような文脈だったりDrumStepのようなハーフテンポでのアプローチを行う際は、スネアは3拍目です。
例えば今回のサラマンダーであれば、ハーフテンポのノリであるので3拍目にスネアを入れたいと思いますが、もしDJでDnBの流れからハーフテンポに落としたい場面があった際にこのイントロですと、繋いでいる際にスネアが2,3,4泊目に鳴ってしまいます。
逆もしかりです。例えばサラマンダーのDrop1から別のDnBにつなぐ際にイントロをDnBと同じノリで乗せると、2,3,4拍目になってしまいます。そのため、最小限の素材にしています。
この現象はBPM140~160でも同じことが言えます。例えば、Trap/Dubstepのようなハーフテンポと、Bassline/Speed Houseのようなグルーヴが違うものをつなぐ際に、スネアとクラップはかえってぶつかってしまう原因になります。
同じ理由で、キックを入れる量も最小限にしてあります。ただし、キックは大音量の会場の中で頭出しの確認、および拍のチェックでとても重要な役割を果たしますので、1拍目にはちょいちょい入れます。
Riserは…ぶっちゃけなくてもいいですが、繋ぐ箇所でのテンションの保持、またBreakとDrop、Bridgeを繋ぐ大きな指標になるので薄く入れてあげるとDJMixの中でも大きな道しるべとなります。僕は派手すぎないWhiteNoise系のRiserは良く入れます。
あとはBPM128などの4つ打ちEDMやHardstyleのような派手なジャンルであれば、Riserは派手なものを入れてもよいと思います。
キメのタイミングを合わせられない
楽曲における繋ぎどころの役割として、
・グルーヴを担保する
・雰囲気をガラっと変えるための布石にする
の2パターンがあると思います(もっとあるかも)
例えば、今回のDigital Starsで大阪、東京ともにかけさせて頂いた“Sweety Glitch(KOTONOHOUSE Remix)”の場合、歌に入るまで16小節あります。
ここでのIntroの効果は、先ほどで言うと前者の”グルーヴを担保する”ことに効果的です。派手な曲からテンションを落とさず繋いで、その後にAメロでハーフになる、という使い方を前提とされているイメージです。
ですが今回はハーフテンポのノリで使いたかった&ガシャガシャする部分が繋ぐ部分で邪魔してしまう可能性があったため、イントロを短くしています。
ここで足したのは超シンプル。うっすらRiser足してStomp補完して尺短くしただけです。
ここで尺を短くした理由としては、KOTONOHOUSEのサウンドタグでもある”え アタシ?!”を効果的に使うためです。
次の曲何が来るんだろう…?というワクワクの中で唐突にミクが”え アタシ?!”って言ったら盛り上がるに決まってます。また、KOTONOHOUSEが好きだった人も聞けてアガるポイントだと思います。
今回は繋ぎたい曲がWonder Style(NGHTHYP Remix)からというのが明確だったためというのもありますが、状況的にもガシャガシャした繋ぎからの声ネタで持っていくことよりも、ある程度音数が減って静寂のなかで急に声ネタが来た方が今回は効果的であると判断したため、このようなこねくりまわしをしました。
あとはガシャガシャした繋ぎ部分より音数少ない方が、繋ぐための手段として便利です。融通が効きます。今後使うことも見越して作りました。
CDJのLOOPとかで対応できるのでは?
もちろんしっかりLoopを組んでCueを打ってやれば対応できる部分ではあります。
ですが、それを大きな会場で機器の環境も違う状況で、行うリスク、そして脳のリソースが取られてしまう部分をどのように捉えるかが大事だと思います。
エディット無しでもつなげるような手段はもちろん用意しているのですが、これを仕込むことによって安心感を得ることができるほか、マイクパフォーマンスができたり、お客さんを煽る動きが出来たりと、当日の人を見て様々なパフォーマンスの選択肢を取ることができます。
僕はそちらにリソースを割きたいのと、完璧な繋ぎをするだけがカッコいいDJの条件ではないと思うので、ガンガン仕込んでいきます。
まとめ
って人もいるかもしれません。
が、僕はめちゃめちゃ緊張しちゃう人なのと、心配性かつアガり症なので、このくらい準備しておくと安心してプレイできます。あとお酒が多少入っててもなんとかなる部分も増えるのでリスクヘッジみたいなものです。
俺はDJを極めるからそんなもの必要ないぜ!!!って人はそのまま進めば良いと思いますし、僕みたいな心配性な人はこんな手段もあるよ、ってくらいの認識で読んでくれるととても嬉しいです。
またトップページに告知してありますが、Digital Stars本編ことHATSUNE MIKU Digital Starsも11月にClub Asiaにて開催されますので、ぜひ遊びに来てね!チケットも抽選販売受付中です!
https://digitalstars.club/hmds23/index.html
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