皆さんお疲れ様です。Hylenです。
そういえばKONAMI様のDancerush Stardomにて、新曲”HoneyComb”が収録されました。ハーフテンポなので踊るのが難しいかもしれませんが、ぜひ遊んでみてください。
さて今回は、僕の愛用しているプラグイン”Infected Mushroom Pusher(以下IMPusher)がセール中ですので、紹介させていただければと思います。
僕が最終的に行き着いたLimiter/Maximizerです。僕のテンプレートではデフォルトで70トラックくらいあるのですが、全トラックに刺してます。
IMPusherって何ぞ?
Created with leading electronic music duo Infected Mushroom, Pusher is an innovative multiband sonic enhancer and limiter/clipper that delivers Infected Mushroom’s “secret mixing sauce.”
Waves公式より
IMPusherは主にサイケを作っている伝説的ユニット”Infected Mushroom”の協力のもと作られた、マルチバンドエンハンサー/リミッター/クリッパーです。
主なツマミとして、
- Low
- Body
- High
- Magic
- Focus
- Dyn Punch
- Stereo Image
- Push
があります。色々ありますね。
機能解説
Low,Body,High
これらは名前の通り、低域、中域、高域を“エンハンス”します。EQなどによるブーストとは違いエンハンサー的なかかり方をします。同社のVitaminとアルゴリズムはかなり近い…気がします。
ただしLowだけ追加機能があるので、後で紹介します。
Magic,Focus,Dyn Punch
ダイナミクスの調整です。アタック量の調節などができます。
Stereo Image
高域のステレオ感を広げてくれます。
Push
Clipping/Limitingの設定を選択して、音圧を上げるためのツマミです。
IMPusherのここがスゴい
こいつ1台で音作りの基盤がほぼ完結する
音作りがこいつで8割完結します。特にドラム周り。
まずEQですが、”エンハンサー”なのがキモです。EQで持ち上げたりするのではなく、それに付随する倍音なども少しブーストしてくれるので、下手にEQでブーストするより所謂”おいしい帯域”がブーストされます。
(カットはできないのでさすがにEQは必要ですが)
Magicツマミでは音のタイトさやアタック感をいじれるので、Transient Shaperの代わりに使うようなこともできます。ドラムにかけると気持ちいいです。
そして音を横に広げたかったらStereo Imageで広げれば良いです。ここも、クラブミュージックでは低域のステレオ化はあまり行われないのでお手軽に広げてくれます。
Pushは言わずもがな聴覚上の音を大きくしてくれます。ClippingとLimitingが切り替えられるので便利です。こいつのおかげでどれだけトラックにディストーションをかけてもミキサーが赤を叩かない。最高。
Lowのノート指定による帯域指定エンハンス
IMPusherのLow部分では、そのトラックのキーに合わせてエンハンスの周波数を変えることができます。例えばDであればD1 – 37hz ~ D#2 – 78hz まで。
こいつをキックに使ってあげると、キックのサブの帯域をブースト、みたいなこともできるのでとても良いです。ベースに使っても、そのキーに対応した倍音をエンハンスできるので、的確なエンハンスができます。キーは調べる必要がありますが。
遅延(レイテンシー)が低い(というかほぼない)
シンセやギターを弾くときに、レイテンシーがあると思い通りのプレイはできないです。が、こいつのレイテンシーは多機能のくせしてめちゃめちゃ低いです。(というかほぼない)。こちらは後で詳しく紹介します。
見た目がかっこいい
カラフルでかっこいい
IMPusherのここが残念
CPU使用率が高い
他のリミッターやマキシマイザーと比べて高いです。リミッター機能以外Offにしても高いです。
良くも悪くも”派手でハイファイな音”
割と派手でハイファイな音になりがちです。ヴィンテージ感とかアナログ、Vinyl感を出したかったらあまりオススメはしません。
レイテンシー、CPU負荷、メモリ負荷について
実際に他のClipperやLimiterと比較してみるのが一番早いので、こちらの方検証していきたいと思います。
今回使うのは、Limiter/Maximizerの
iZotope Ozone 9 Vintage Limiter(単体)
A.O.M Invisible Limiter G2
Fabfilter Pro-L2
Fruity Limiter(FL付属)
Waves IMPusher Stereo(Limiting以外の機能はoff)
の5つとします。
検証環境
DAW:FL Studio
オーディオインターフェース:Apogee Duet
作業環境:24/48khz
サンプリングレート:512
CPU:Ryzen 7 4800H(基本速度2.9GHZ) 8コア16スレッド
メモリ:32GB
CPU使用率及びメモリ使用率は、Masterトラックに1台刺したときのものを測定します。
レイテンシー
Ozone 9 Vintage Limiter
(Analog,Tube,Modernすべて同様の数値)
Invisible Limiter G2
Pro-L2
Transparent,Punchy,Allround
Dynamic
Agressive,Bus
Modern
Safe
Fruity Limiter
IMPusher Stereo
流石にDAW付属のFruity Limiterが一番レイテンシーはないですが、ほかのプラグインと比べて圧倒的にIMPusherがレイテンシーが少ないことが分かります。
2.67msであればライブやリアルタイム録音でも刺したままいけそうです。
CPU/メモリ負荷
基準値(左がCPU、右がメモリです)
Ozone 9 Vintage Limiter
Invisible Limiter G2
Pro-L2
Fruity Limiter
IMPusher Stereo
結果の通り、CPU使用率がダントツで高いです。Pro-L2の倍。メモリもそこそこ食います。レイテンシーがない分多少は仕方ないのかもしれないですが、CPUがかなり持ってかれるので何十個も刺すには相当なスペックが必要ですね。
肝心の音はどうやねん
今回はドラムのキック、スネア、ハイハット、ベースをそれぞれ各リミッターで4dbほどブーストしたトラックを用意しました。
マスターにも同じ処理で、アウトは-0.1dbしてあります。
Ozone9,Pro-L2のモードは”Modern”です。
Ozone9 Vintage Limiter
Invisible Limiter G2
Pro-L2
Fruity Limiter
IMPusher Stereo
かなり色付けの差が出ますね。あくまで僕の感想ですが、
Ozone9 Vintage Limiter:新しめなシンプルな音
Invisible Limiter G2:Transientがデフォで強い
Pro-L2:一番ピュアに音圧を上げてくれる
Fruity Limiter:音がまるで変わる
IMPusher:存在感が増して派手なトラックになる
感じがしました。
Wavesがバカみたいなセール中
そんなIMPusherですが、ただいまWaves公式にて色々セール中です。(2021/2/21現在)
本来$79.99なのですが、セールで$49.99、さらにクーポンで40%Offで$29.99となっています。
https://www.waves.com/plugins/infected-mushroom-pusher
安すぎる…
しかも、さらにキャンペーンで$49.99以上買い物すると、対象プラグインから1つプレゼントされます。
選べるプラグインはこちら
https://www.waves.com/free-plugins-get-creative-feb-2021
ん???
リストの中にIMPusherが入っている…?
つまりWavesで$50以上買い物すればIMpusherがタダで貰える…?
やばいです。
個人的にはAbbey Road Saturatorが最近だと抜群によかったので(セールで$38.99、鬼安い)、これと何かを買ってIMPusher貰うのが一番良い気がします。Abbey Road Saturatorも最高なので暇があれば紹介したいと思います。
まとめ
国内のエレクトロ系の人は使ってる人めっちゃ多いので手に入れよう、買え
ちなみにtofubeatsさんも使ってました