皆さんお疲れ様です。Hylenです。
世間ではNAMM SHOWが開催されていますね。今年も新商品がたくさん発表されていました。個人的にはSSLのオーディオインターフェースやApogeeの新しいオーディオインターフェースが気になります。今使っているApogee Duetの調子が悪くて…
という話はさておき、今日はちょっとした考察を行いたいと思います。
先日Youtubeで動画を漁っていたところ、こんな動画に出会いました。
Dubstep界のスター、Barely Aliveが“Why DJ’s Don’t Play Your Music(なぜDJはあなたの曲をかけないのか)”というタイトルで動画をあげていました。
かなり内容が面白かったのと、これを踏まえて、現状の日本のクラブシーンではどうか、また僕自身の曲でありがたくヘビープレイされている“Sky’s the limit(XHX Rework)”や“hectpascal(XHX&TKM Rework)”もテーマにして考察していきたいと思います。
1.なぜDJはあなたの曲をかけないのか
1-1.繋ぎどころがない
これはFutureHouseやBassHouse、EDMがとても分かりやすいのですが、よくBeatportなどでは”extended mix”といったDJで繋ぐように長めに作られたものが販売されている場合がありますよね。
このように、イントロがなくいきなりボーカルやBreakに入る曲はループを使って繋ぐこともできますが、本番でミスを減らすためにもイントロがある曲は重宝されます。僕が曲を作るときは最低でも8、4つ打ちだと16小節はイントロを作ります。なぜ16なのかというと、8でイントロポン出しをミスってしまったときに16小節あればCUEを振っておいてそちらに急いで移動すればリカバーが効きやすいためです。
またドロップが終わった後も繋ぐパートがあるとより効果的です。特に4つ打ちやガラージ、2Stepなどではあるとないとで繋ぎがキレイになるかどうかが変わります。こちらは8小説あれば大丈夫だと思います。
Sky’s the Limit,hectpascalともにイントロが16、1stDrop後に8、2ndDrop後のアウトロが16あります。
1-2.変なBPMで作っている
どんなジャンルでも定番のBPMというのがあります。あくまで目安ですが表にまとめると、
House | 120-124(126) |
FutureHouse | 126-128 | EDM | 128(130) | Jersey Club | 132-135 | Garage/2step | 132-140 | Dubstep/Trap/HipHop | 140-160 | Hardcore | 160-175 | DnB | 170-175 |
DJの方々は、BPMでフォルダ分けする人もいれば、CDJ内でソートする人も多々います。あくまで感覚なのですが、定番のBPMであればあるほど選ばれる可能性が高いです。例えばFutureHouseでBPM125とか124だとSyncを使っていない限りテンポを合わせる必要がありますし、本当に感覚なのですがBPMを変更すると音質が若干変わる気がします。
よほどのことがない限り変なBPMで作ることはお勧めしないです…
1-3.BPMが途中で変わる
これは僕は大好きなギミックなのですが、DJで使うのは結構難しいです。getterの曲とかよくBPM変わりますよね。
テンポが変わる曲は完全に理解していれば一気にBPMを変えて雰囲気を変えられるので強い武器になるのですが、例えば上記のSummer(Getter Remix)は160から140に落ちるのですが、これをRekordboxで読み込むとBPM160として表示されます。また、落ちる曲がBPMが落ちると明記されているわけではないので、自分で測る必要があり、メモしておく必要があるかと思います。
これだけでも一手間なのにSyncを使ってBPMを変えてたりするとさらに面倒です。
自分用に作っておくのは非常に効果的なのですが、DJでかかることは少ないと考えた方が良いでしょう。
1-4.口ずさめるフレーズがない
これはDJに関わらず曲全体の話なのですが、口ずさめるリードやベースラインは強い武器となります。歌えるメロディーを作るコツとしては、スケールから外れた音を使わず、なるべくペンタトニック音で作られたもの(ペンタトニックについては調べてみてね)を意識することでしょうか。
EDMでいうとMestoは特にキャッチーで分かりやすくて参考にしています。
HardstyleだとAtmozfearsとかも分かりやすいメロディーですね。
みんな大好きAiobahnもとても分かりやすいキャッチーなメロを書きますね。
ちなみにhectpascalのドロップはBmペンタのみで構成されています。
家でチャーハン作りながら口ずさめるメロディーを目指しましょう。
1-5.マスタリングが適切ではない
DJは音圧に対して人一倍敏感です。まず最低限として、音が割れてしまっている音源をかけるDJはまずいないといって良いです。ただでさえ細かい音が聞き取れないクラブで音が割れてしまっている音源が流されたら、想像がつきますよね?
ですが逆に音圧が低い、迫力がない音源も同様にDJはかけてくれません。例えばYoutubeやSpotify、AppleMusicのラウドネス企画は-14LUFSですが、それはあくまでストリーミング用のもので、DJでかける際に大きくGainをあげる必要があります。またゲインをあげても、いわゆるパツっとした質感がなければ圧があるとは言えません。
CDやSoundcloudなどLoudness規格が適用されない場所と同じマスタリングの音圧のものを用意しましょう。僕自身はT-RackSのMeterling、SPANでRMS値を確認するのですが、ドロップで-6~6.5db出ていれば音圧としては高いと言えるでしょう。-6を超えると一気に割れる場合があるので注意が必要です。(本当はラウドネスメーターも見たほうが良いとは思うのですがまだ導入できておらず…)
ちなみにHectpascal、Sky’s the limitともにDropでは-6db前後まで出しています。チェックしてみてください。
2.DJで使われるようにするには
2-1.繋ぎの部分に一工夫入れる
これはクラブ、特にアニリミのイベントはVのイベントあるあるなのですが、イントロ警察(繋いでいる部分で曲を判断して前に押し掛ける客)が存在します。
彼らがどうイントロで判断しているのか、それはおそらく繋ぎの部分で覚えているからだと思います。
例えばsky’s the limitのリミックスでは、繋ぐ部分に関して2泊目と4泊目に普通鳴るはずのClapSnareに対して、あえてSnapを利用しています。(これは実はAvicii – Levelsのオマージュなのですが恐らく分かる人はいないと思う)
これによって繋ぎのタイミングでSnapが裏箔でなってきたら”あっあれだ!”ってなるわけです。
もう一つよくやる手法としてボーカルカットアップを載せます。これは大体繋ぐ部分においてハイの部分が鳴っているのって、ハイハットとスネアの広域くらいで結構空いている空間なんですね。つまり繋いだ時に前の曲と埋もれない帯域なので、これも繋ぐ際に聞こえてきやすい音になります。カットアップが聞こえたら”あれ!”ってなる場合も結構あるわけですね。
2-2.”キメ”、”タメ”をしっかり作る
キメというのは具体的には声ネタやフィルですね。特にフィルに関しては作曲初心者に軽視されがちですが、フィルは何ならドロップと同じくらい重要な部分だと思っています。
特にドロップ前はとても重要です。特に声ネタを入れることは大事で、”はい、これからドロップしますよ!”という良い合図になります。
またドロップ後の1泊目のタメが入ると一気に引き込まれるDropになります。ここがGhastlyやJoyryde、Skrillexはうまいですね。参考にしてみてください。
2-3.デモをDJに送る、フィードバックを貰う
マスタリングもミックスもしっかり決まった曲は積極的にDJや友人に送ってフィードバックをもらいましょう。DJ自身もエクスクルーシブを貰うとやはりかけたくなるものです(俺だけ?)音楽作る人は主観的になってしまうのはあまり良くないです。第三者の視点で見れるようにしましょう。
2-4.トレンドを研究する、DJのセットリストを見る
これもメチャメチャ大事です。現場ではどのような楽曲が流行っているのか、実際にDJはどんな曲をかけているのか研究することは自分の楽曲のヒットにも大きく繋がります。
一番手っ取り早いのはクラブに直接行くことです。行くことによって新たな刺激を受けて曲を作れるようになるのはよくあることです。が、未成年や地方に住んでいて行けない方もいらっしゃると思うので、再現mixやセットリストを見て研究するのも良いと思います。
3.まとめ
ちょっと長かったですけれど、参考になれば幸いです。