【DTM、プリセット配付】Serum Killer?!Phaseplantのすゝめ

2020年1月16日

By Hylen

皆さんお疲れ様です。Hylenです。

本日は去年買ったシンセの中でも面白かったKilohearts PhasePlantを紹介します!

1.PhasePlantとは?

公式サイト→ https://kilohearts.com/products/phase_plant

日本語で販売してる分かりやすかったサイトはこちら→ https://beatcloud.jp/product/979

NEW ERA SYNTHESISと名を打つ次世代のモジュラーシンセサイザーみたいですね。 アナログオシレーター、サンプル、ウェーブテーブル、ノイズジェネレーター の4種類から音を作り、Kiloheartsの Snapins を使いエフェクトをかけて音を作ってゆく感じです。

公式デモはこちら

公式サイトで使用しているアーティストを見ると、Noisia,Netsky,Mat Zoなどドラムンベース系のアーティストが多いですね。

Youtubeで実際に使ってるアーティストを調べてみると、

Kill The Noise

Nasko

Moonboy

Mat Zo(先述)

などベース系のアーティストもよく使っていることが分かります。

2.PhasePlantのここがヤバい

2-1.プリセットが既に即戦力

Neuro Bassがメチャメチャいっぱい入っています。こちらデモとしてプリセットをほんの気持ち弄っただけの音のみで構成されています。3rd Albumに入れるかも!

2-2.外部Wavetableを読み込める

これはSerumと殆ど同じ機能になるのですが、WavetableセクションではUserライブラリからフォルダーを追加することで自前のWavetableを読み込むことができます。つまりWavetableがあればSerum、MassiveX、Falcon、Virus Tiなどのオシレーターを使うことができます。

上記の動画ではNaskoがSerumのテーブルを使っていますね。僕はよくVirtual Riotのプリセット内のテーブルやCymaticsのテーブルを使います。

2-3.EQが細かく調整できる

PhaseplantというよりはToolboxの機能なのですが、EQがかなり細かく設定できます。Carve EQというエフェクトなのですが、31バンド(?!)も設定できるらしいです。(面倒なのであまりやりませんが)

2-4.エフェクトが優秀

これもToolboxの機能ではあるのですが、エフェクトが特に優秀です。単体でも便利なディストーションのFaturatorや音を太くするフィルターのDisperser、デフォルトで付属するDistortionではSaturate,Clipping,Foldなどかなりの種類かつ高品質な歪みを得ることができます。

またFrequency ShifterやFormant Filterなどで積極的なベースの音作りを行うこともでき、素敵です。

2-5.サンプルとオシレーターを同時に鳴らせる

これもかなり便利で僕自身もよく使う方法なのですが、例えばFutureHouseやBassHouse,EDM、Hardcoreではシンセのワンショットを使うことがあると思うのですが、例えばそれにサイン波を薄くレイヤーしたい、といった時に、同時に鳴らすことができます。便利…だけどちょっと問題があります(後述)

3.PhasePlantの残念な点

3-1.LFOを描くのがちょっと不便…

PhaseplantにもSerumのようなLFOのエディターはあるのですが、Serumのように変な形を描いたり、お手軽に書けない(専用のデカいエディターが開く、これいらない)、この点はSerum良くできてるな~と思います。

3-2.フィルターが少ない、弄れる部分が少ない…

PhasePlantには基本的なLP、HP、BP、Norchに加えてLadder FilterとComb Filterがあるのですが、Serumと比較するとマルチフィルターがないのがやはり不便です。PhasePlantにもCombFilterがあるのですがやはりかかりは弱く、弄れるパラメーターもかなり少ないのでSerumFXなどで補填するしかないですね。

PS.music+techさんの記事で見つけたのですが、フィルターのカーブが24dbで固定されてるそうです…ここ選べないの滅茶滅茶不便ですね…
(参考) https://musicplustech.com/ppreview/

3-3.Unisonが8までしかできない…

こちらもSerumとの比較ですが、分厚いSupersawを作りたいときに8つしかユニゾンできないのはちょっと物足りないと感じるときがあります。
もちろんSerumが2OSC+1SUB+1Noiseという構成に対してPhaseplantはもっとレイヤーすることができるので音の分厚さは負けないのですが、デチューンの感じが違う気がします。あとちょっと重い。

小技ですが、SerumのBasic ShapesのWavetableを読み込んでSylenth1みたいな使い方がいいのかもしれません。

3-4.Samplerのストレッチ、Warpが出来ない…

これがマジで残念です。例えばFutureHouseやFutureBounceを作る際に、シンセのワンショット(特にPluck)を何個もレイヤーする方法を僕は良く使います。


それを一つの音として処理したい場合、FLの場合はサンプルの設定をStretchに設定すれば、ピッチが変わっても同じ長さの音で出力されます。
AbletonではSimplerなどでWARPをオンにすれば同様に同じ長さで出せます。

が、FLの場合はLayerを設定しなければならない、Abletonの場合レイヤーする数だけMIDIトラックを立ち上げなければならない、という面倒な手段があったので”Phaseplantに全部突っ込んでピッチ合わせてエフェクトかければシンセ1台で済むんじゃね?”と思ったのですがダメでした。ストレッチできないので音の長さが変わってしまいます。

これもしかしたら出来るかもしれないけどやり方分からないのでわかる人いたら教えてくださいまし…

3-5.サードパーティーのプリセットが少ない(というかほぼない)

比較的に新しいシンセなのでプリセットが全然ありません。なのでプリセットベースで音を作る人はちょっと向いてないかもしれませんね…

4.まとめ

約1か月弱触ってみて思ったのが、結構マニアックなシンセです…お手軽に音が作れるのはSerumに軍配が上がりますね。とはいえサンプルベースで音を弄れたり、エフェクトを何個もかけられるのは魅力的です。


僕は、NeurobassやReese、FrequencyShifterを使った変態ベースや複数のオシレーターをレイヤーしたい、変わった音が欲しい際はPhaseplantといった使い分けを僕はしています。

また、PhaseplantSerumFXをインサートしてオートメーションを書いたり、SerumMultipass(Kiloheartsのエフェクトがマルチバンドで好きなだけ刺せるプラグイン)をインサートするなど合わせ技もアリです。

気になる価格は公式サイトで全部入りが$499。PluginBoutiqueだと55000円です。Serumの2.5倍…僕が買ったときはセールで約33000円でしたので買う方はセールを待っても良いかも…

また10日間のトライアルがある他、公式サイトで月10ドルでUltimateが使えるサブスクリプションもありますのでこちらで試してみるのもありかと思います。サブスクリプションを12ヶ月続けると公式サイトで100ドルオフになるクーポンが貰えるのでお得です…が大体セールはBeatcloudさんかPluginboutiqueなので返ってくるとは思わない方がいいかも…

何はともあれ面白いシンセです!特にDnBやJumpUp作る人には超オススメ!

まだまだ発展途上のPhasePlantですが、とても面白いシンセですのでぜひ試してみてください!

※ただいまPluginboutiqueにて40%Offセール中です!チェック!
https://www.pluginboutique.com/product/1-Instruments/4-Synth/5391-Phase-Plant-Toolbox-FREE/?a_aid=5abf3e9769e18

5.おまけ

Phaseplantで作ったプリセットいくつかpixivFanboxにて公開しておりますので良かったら支援お願い致します…!

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