【TIPS】BPMオートメーションを描かずにテンポを変えるテクニック① デモ付き【172-129】

2023年7月1日

By Hylen

【TIPS】BPMオートメーションを描かずにテンポを変えるテクニック① デモ付き【172-129】

執筆者 | 7月 1, 2023 | Tips, ブログ, 未分類 | コメント0件

【TIPS】BPMオートメーションを描かずにテンポを変えるテクニック デモ付き【172-129】

 

皆さんお疲れ様です。Hylenです。

突然ですが皆様は、春にARForest様のレーベルよりリリースした、Hylen – Đという楽曲をお聞きいただけましたでしょうか…!

 

こちらの楽曲はニューロファンクと呼ばれるドラムンベースの一種の楽曲から、後半は4つ打ちのハウスになるのですが、

実はこの楽曲、単純なBPMのオートメーションを使っておらず、少し特殊なBPM Changeを行っております。

少々難しいですが、ぜひ最後まで読んでみて貰えると嬉しいです。

 

BPMが変わっていない?

 

 

BPMが変化したように見せる技

 

 

実際にĐでやった技術を使ったものです。

見ての通り、BPMの値が全く変わっていないのに、フェードががったようにハードコアからハウスへ変わっています。

これはテクノなどで使われるGrey Areaというものにも影響を受けていますが(Grey Areaに関してはこちら)

http://hardonize.info/recommend/post-1975.html

種明かしをすると、BPM172の4分音符で均等に並べていたものを、付点8分音符で並べて作り変えています。

…?

 

 どういうことぞや?って方のためにわかりやすく、ディレイタイム計算機というものを抜粋してみました。

これはいわゆるDAWとSyncしていないディレイ(ギターのエフェクターとか)で曲のテンポに合わせて計算してくれるサイトです。(BPM172の4分音符は何msなのか計算してくれるやつです)

https://anotherproducer.com/online-tools-for-musicians/delay-reverb-time-calculator/

まずはBPM172のディレイタイムから。

次にBPM129を見てみます。

ここで見てほしいのが、BPM172の4分音符(1/4)と、BPM129の付点8分音符(Dotted 1/8)です。

数値が一緒ですよね。

行ってしまえば至極当たり前の話ではあるのですが…4分音符が1とした場合、付点8分音符は0.75になるわけで、BPM172の4つ打ちに対してのBPM129での”付点8分打ち”は同じビートになるわけです。

早い方のビートを3/4した数値が付点8分に対応する、って覚え方でも全然良いと思います。

 

 

BPMオートメーションを描かないことのメリット

 

 

DJ中のBPM変化

 

 

こんなことしなくてもオートメーション書けばいいだろ!!何でこんなことするんだ!!

 

こんな意見もたくさんあると思います。

BPMオートメーションを描かないことに対するメリットとして、“ビート”と”ベース”、”ウワモノ”それぞれ違うタイミングで変化させていくことだと思っています。

例えばこのように、全てのトラックを一気に付点8分に変えても、ただのBPM変化が起きただけ、になってしまいます。

 

しかし、先ほどの上にあげた動画を見ていただくと、違いが判ると思います。

そう、上のパターンは、ハイハットなどの金物だけ先行してBPMを付点8分に落としています。

BPMにおけるクロスフェードが起こせるわけです。

BPMオートメーションを描くと、全ての楽器が均等にテンポが落ちていく一方で、この手法を使うと、複数のリズムが少しずつ変わっていく変化を起こすことができます。

(わかりやすい例だと、裏打ちのオープンハイハットが少しずつ入ってくる、とかでリズムを錯覚させるトリックを入れてます。Đはそれに加えて声ネタでミスディレクションしています)

 

実際にどうやって使うか?

 

 

DJ中のBPM変化

 

 

この効果を一番便利に使えるのはDJプレイだと思います。

上のBPMを変える動画は少しバズりましたね。こちらはBPM130.5を4/3したBPM174へ変えてます。こんな感じで大声を出さずとも場の雰囲気をガラっと変えることができます。大声出すのも大好きです

 

余談?

 

 

3連符の場合どうなるの?

 

 

同じ効果として付点8分ではなく3連符を使った場合、また違ったBPMへ動かすことも出来ます。

 こちらは先ほどとは違いBPM174のディレイタイム

3連符なので、BPM174を2/3したBPM116を見てみると、3連4分音符のディレイタイムは一致します。

先ほどのDJの動画でも、BPM120から80へ変化させてますね。

まとめ

 

 

ややこし~!!ってなると思いますが、これが使いこなせればDJでも作曲でもアッと驚かせられる飛び道具になると思います。

DJ中心の人は、120-160、123-164、126-168、129-172、132-176、135-180(90)みたいな数字は覚えておくと楽かもしれません。

作曲の人は、3か4で割り切れるBPMにしておくと変化付けるとき楽です。BPMに小数点がつかないので。

逆に考えれば、3でも4でも割れる数である12の倍数のBPMであれば、3連にも付点にも整数で持っていくことができます。(とはいえ120,132,144,156,168,180)くらいしかありませんしBPM156とかHIPHOPの78くらいでしか見たことないですが…

数学かよ!!!!!!!!!!!!ちなみに僕は文系出身なので割と感覚でやってます

 

 

 

 

 

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